相続手続きは自分でできる?自力でやる限界と、代行サービスに頼むべき人の基準【2026年版】

亡くなった後の手続き

相続手続きはできれば自分でやって、費用を節約したい

相続手続きは自分でできるし、費用も大幅に抑えられるんだ。

でも正直に言うと、「自分でやること」が結果的に高くつくパターンも、確実に存在するんだ

この記事では、「自分でやるべき人」・「プロに任せるべき人の基準を、費用の数字と比較しながら一緒に整理します。


相続手続きの全体像|何をしなければならないのか

まず、「相続手続き」と一口に言っても、やることは多岐にわたります。

手続き期限担当できる専門家
相続放棄の申述3か月以内弁護士・司法書士
準確定申告(故人の所得税申告)4か月以内税理士
相続税申告10か月以内税理士
銀行口座の解約・払い戻し期限なし(早めに)自分でも可
相続登記(不動産の名義変更)3年以内(義務)司法書士
遺産分割協議書の作成期限なし行政書士・司法書士・弁護士
証券口座・保険の名義変更期限なし(早めに)自分でも可

これだけの手続きを、悲しみの中で、仕事をしながら、期限を守って進めていくのが相続の現実なんだ。


「自分でやる」と費用はどれくらいかかるか

結論から言うと、シンプルな相続であれば、自分でやる費用は数千円〜数万円で済みます。

自分でやる場合の主な費用(実費のみ)

書類費用目安
戸籍謄本(1通)450〜750円
住民票の除票(1通)300円
印鑑証明書(1通)300円
固定資産税評価証明書(1通)300円
相続登記の登録免許税固定資産税評価額 × 0.4%

たとえば、現金・預貯金・株式のみのシンプルな相続なら、書類取得費のみで数千円程度で完了します。

専門家なし・書類代のみで乗り切れる人が存在するのは事実です。


しかし、「見えないコスト」がある

費用の比較をするとき、多くの方が見落とすコストがあります。

「時間」というコストです。

相続手続きを自分でやると、次のようなことが起きます。

① 平日の昼間に何度も役所・法務局・銀行に行く必要がある

戸籍謄本の取得・法務局への申出・銀行の相続手続き窓口などはすべて平日の昼間しか対応していません。

仕事を持っている方であれば、有給休暇を消化するか、半休を何度も取る必要があります。

「1日で終わると思っていたが、書類に不備があって法務局に3回通った」というのは珍しい話ではないんだ

② 調べるだけで何十時間もかかる

「法定相続情報一覧図って何?」
「遺産分割協議書はどう書く?」
「相続放棄の期限は?」

知識ゼロからスタートすると、制度を理解するだけで膨大な時間がかかります。

制度を理解した後も、書類を作成し、不備がないか確認し、法務局の補正指摘に対応する。

制度の理解や手続きの対応に必要な時間は、仕事をしていれば当然「機会損失」になってしまうんだ。

③ ミスをすると「やり直し」で余計な費用が発生する

書類に記載ミスや添付漏れがあると、法務局から「補正(やり直し)」を求められます。

自力で進めて挫折し、半年後に「手に負えない」と専門家に相談に来るケースも実際に起きています。

その時点から専門家に依頼すると、最初から依頼した場合よりも費用が高くなることがあるのです。

途中からの引き継ぎは専門家にとっても手間がかかってしまう分、費用が高くなってしまうんだ。


専門家に依頼すると費用はいくらか

プロの専門家に相談した場合の費用相場を教えるよ

司法書士(相続登記・書類作成)

相続登記(不動産の名義変更)を司法書士に依頼した場合、報酬の相場はおおむね7〜15万円程度です。戸籍収集や遺産分割協議書の作成もセットで依頼すると、合計10〜20万円程度になるのが一般的です。

不動産が複数・相続人が多い・複雑なケースでは、これより高くなることがあります。

行政書士(書類作成・遺産分割協議書)

遺産分割協議書の作成だけなら3万円前後が目安です。
戸籍収集から書類作成まで一括で依頼するフルパッケージでは20〜30万円程度になることもあります。

ただし、不動産が含まれる場合の相続登記は行政書士には依頼できません
不動産がある場合は必ず司法書士への依頼が必要です。

税理士(相続税申告)

相続税が発生する場合は税理士への依頼が必要です。
費用の目安は遺産総額の0.5〜1%程度です。

たとえば遺産総額が5,000万円なら25〜50万円が目安となります。

弁護士(遺産分割のトラブル・調停)

相続人間で揉めている場合は弁護士が必要です。

費用は案件の複雑さによって大きく異なり、着手金と成功報酬の合計で数十万円〜100万円以上になるケースもあります。


プロに任せた方がコスパが良い人の基準

以下の条件に1つでも当てはまるなら、最初からプロに任せる方が結果的に安くなる可能性が高いよ

① 平日昼間に役所・法務局・銀行に行けない人

仕事を持っていて平日に動けない場合、有給休暇を何日も消化することになります。

また、遠方に住んでいて実家のある地域に頻繁に行けない方も同様です。

郵送対応できる専門家に任せる方が現実的です。

② 相続人が3人以上・または面識の薄い親族がいる人

相続人の数が増えると、全員の戸籍謄本・印鑑証明書を集めるだけで一苦労です。

さらに、面識の薄い親族(父の前妻の子など)がいる場合、連絡を取ること自体がストレスになります。

「自力でやりきれた」という人は、実は少数派なんだ。

③ 兄弟・親族間で少しでも揉めそうな人

「少しでも揉めそう」と感じているなら、それは直感として正しいことが多いです。

遺産分割で揉めた場合、家庭裁判所での調停・審判が必要になり、弁護士費用だけで数十万円〜100万円以上かかることがあります。

感情的なトラブルを防ぐためのコストは、揉めた後に払うコストより、はるかに安くなることがほとんどです。

④ 不動産が相続財産に含まれている人

相続登記(不動産の名義変更)は、2024年4月から義務化されました。

3年以内に手続きを行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

さらに、登記申請書の作成は専門知識が必要で、書類の不備があると法務局から補正を求められます。

相続財産に不動産が含まれている場合は、最初から司法書士に依頼するのが無難なんだ。

⑤ ネット銀行・株式・仮想通貨など「デジタル財産」がある人

ネット銀行・証券・PayPay・仮想通貨などのデジタル財産は、家族が存在を知らないまま見落とすケースが多いです。

専門家に財産調査を依頼すると、こうした「知らなかった財産」を洗い出してもらえる可能性があります。

デジタル遺品について詳しくはこちら→[デジタル遺品整理で起きる7つのトラブルと対策]


「自分でやれる人」の条件

逆に、以下の条件をすべて満たす人は、自分でやることが十分現実的です。

  • 相続人が自分1人だけ(または配偶者のみ)
  • 遺産が預貯金と現金のみ(不動産なし・株式なし)
  • 相続人間でまったく揉めていない
  • 平日の昼間に動ける時間がある
  • 書類作成・役所対応にストレスを感じない

この条件が揃っている場合、自分でやって数千円〜数万円に抑えることは十分可能です。


どちらか迷う前に、まず「相場を知る」ことが大事

「自分でやるべきか、プロに任せるべきか」を判断するには、まず自分のケースでいくらかかるかの相場感を知ることが必要です。

「高そうだから自分でやろう」と決めると、後で「最初から頼めばよかった」という後悔につながることは本当に多いんだ。


葬儀費用も「事前に相場を知っておく」ことが重要

相続手続きと同じように、葬儀費用も「その場で決める」と損をするケースが多いです。

突然のことがあったとき、病院から紹介された葬儀社にそのまま依頼してしまう方は少なくありません。しかし事前に相場を把握していれば、冷静に比較検討できます。

もし亡くなると、パニック状態の中で比較検討もせずに契約し、結果的に相場より30~50万円高いお葬式代を払ってしまうケースばかりなんだ。

相続手続きの準備と並行して、葬儀費用の準備についても一度考えてみることをおすすめします。

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まとめ|判断基準を一枚に整理

【自分でやれる人】
✅ 相続人が1〜2人
✅ 遺産が現金・預貯金のみ
✅ 不動産なし・株式なし
✅ 相続人間で揉めていない
✅ 平日昼間に動ける

【プロに任せた方がいい人】
⚠️ 平日昼間に役所・法務局・銀行に行けない
⚠️ 相続人が3人以上
⚠️ 面識の薄い親族が相続人にいる
⚠️ 兄弟・親族間で少しでも揉めそう
⚠️ 不動産が含まれている
⚠️ ネット銀行・株・仮想通貨がある

【専門家の費用の目安】
司法書士(相続登記):7〜15万円程度
司法書士(書類作成一式込み):10〜20万円程度
行政書士(遺産分割協議書のみ):3万円前後
税理士(相続税申告):遺産総額の0.5〜1%
弁護士(トラブル対応):数十万円〜

相続手続きは「知っている人・準備した人」が圧倒的にラクに、安く終わります。

「まだ先の話」と思わず、今のうちに相場感と自分のケースの見通しを持っておくことが、最大の節約です。


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