遺言書の書き方と最新デジタル化動向【2026年版】|3種類の違いと注意点を完全解説

エンディングノート・遺言書

遺言書を書こうと思うけど、何をどう書けばいいかわからない

最近、デジタルで遺言書が作れると聞いたけど本当?

この記事では、遺言書の基本的な書き方と、2025〜2026年に起きた法改正の正確な内容をお伝えします。

 

ネット上には誤った情報も多くあります。

「スマホのメモに書いた遺言が有効」
「すでにデジタル遺言は自由に使える」

といった情報は正確ではありません。事実に基づいて、正確に解説します。


遺言書が必要な理由

親が亡くなった後、相続でもめるケースの多くは「遺言書がなかった」ことが原因です。

遺言書がない場合、すべての遺産は相続人全員で話し合い(遺産分割協議)を経て分けることになります。

この話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所での調停・審判に発展することもあります。

そういったトラブルを防ぐためにも「家族への最後の思いやり」として遺言書が必要です。

 


現在の遺言書の種類|3タイプを比較

遺言書には法律で定められた3つの種類があります。

自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言
作成方法全文を本人が手書き公証人が作成内容は本人が作成・封印
費用ほぼ無料数万円〜1万1,000円〜
証人不要2名必要2名必要
検認必要(法務局保管の場合は不要)不要必要

 

CHECK

実務では、「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」のどちらかを選ぶのが一般的です。

秘密証書遺言はほとんど利用されていません。

 


自筆証書遺言の書き方|現行ルール(2026年4月時点)

現行法では、自筆証書遺言には4つの要件があります。

1つでも満たさないと遺言書は無効になります!

🚩遺言書を満たす要件🚩

①全文を自書(手書き)する

遺言の本文は、必ず自分の手で書く必要があります。

パソコンで打ったもの・スマホのメモ・音声録音・動画は、すべて無効です。

ただし、財産目録だけはパソコン作成が認められています(全ページに署名・押印が必要)。

② 日付を書く

「令和〇年〇月〇日」と具体的な日付を書きます。

「〇月吉日」のような曖昧な書き方は無効です。

③ 氏名を自書する

フルネームを自分の手で書きます。

④ 押印する

認印でも構いませんが、実印を使うことが推奨されています。

【2026年4月現在の注意点】
閣議決定された民法改正案では押印要件の廃止が盛り込まれていますが、現在はまだ国会での審議前です。現時点では押印は引き続き必要です。

 

財産の書き方のポイント

不動産は登記簿謄本の記載どおりに正確に書きます。

預貯金は金融機関名・支店名・口座番号・口座種別を記載します。

「すべての財産を〇〇に相続させる」という包括的な書き方も有効ですが、後のトラブルを防ぐために個別で具体的に書く方が安全です。

 


法務局への保管制度(2020年〜)を活用する

2020年7月から、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度が始まっています。

自宅保管の遺言書は紛失・改ざんのリスクがありますが、法務局保管を選ぶと以下のメリットがあります。

🏦法務局保管のメリット🏦

  • 紛失・改ざんのリスクがなくなる
  • 相続開始後の家庭裁判所での検認が不要
  • 相続人が法務局で遺言書を確認できる

申請は「本人が法務局に出向いて」行います。

費用は1通あたり3,900円です。

 


公正証書遺言とは

公正証書遺言とは

公証人(法律の専門家)が作成する遺言書です。

 

公証人がチェックするため無効になるリスクが低く、原本が公証役場に保管されるため紛失・改ざんの心配もありません。

証人2名が必要で、費用は財産額によって異なりますが数万円〜かかります。

  

2025年10月から:公証役場に行かずに作成可能に

POINT

2025年10月1日から、ウェブ会議(ビデオ通話)を使って公正証書遺言を作成できるようになりました(指定公証人がいる公証役場に限る)。

高齢や病気で外出が難しい方でも、自宅からビデオ通話で公証人と話しながら遺言書を作成できます。

証人2名の立会いは引き続きが必要です。

これが、遺言書に関する最初の法改正です。すでに施行されており、今すぐ利用できます。

 


【2026年最新】デジタル遺言(保管証書遺言)の正確な状況

ここが多くのメディアで誤って伝えられているポイントです。
正確にお伝えします。

現時点での状況(2026年4月)

政府は民法改正案を閣議決定しました。

この改正案の目玉は「保管証書遺言」という新しい遺言方式の創設です。

保管証書遺言でできること(改正案の内容)
  • パソコン・スマートフォンで遺言の本文を作成できる
  • 電子署名(マイナンバーカード等)で署名できる
  • 法務局に保管を申請することで効力が生じる
  • 押印が不要になる

 

ただし、まだ施行されていません

 

閣議決定は「政府として法案を国会に提出する」という決定です。
国会での成立後、さらに施行まで数ヶ月〜1年程度かかる見込みです。

 

スマホのメモ・Wordファイル・音声・動画に書いた遺言は、2026年4月現在も法的効力がありません。

 

保管証書遺言の作成手順(改正案)

現時点で判明している手順はおおむね以下のとおりです。

① パソコン・スマホで遺言の全文を作成
② 電子署名(マイナンバーカード等)で署名
③ 法務局に出向くか、またはウェブ会議(ビデオ通話)を利用して、遺言書保管官の前で全文を口述(読み上げ)
④ 法務局が遺言書を保管

従来の制度と異なり、閣議決定されたデジタル遺言案では、

遺言データの送信から本人確認、遺言内容の口述にいたるまで、法務局へ出向くことなく「自宅にいながら完全にオンラインで完結できる」仕組みが想定されています。

利便性が大幅に向上しそうだね

 

今すぐ自分でできることは?

法改正の施行を待つよりも、今できる方法で備えることが大切です

状況おすすめの方法
コストを抑えたい自筆証書遺言(手書き)+法務局保管
確実に残したい公正証書遺言(ウェブ会議での作成も可)
とにかく今すぐエンディングノートで意思を整理してから上記へ

 


遺言書の前に「エンディングノート」から始めてみる

遺言書は法的な効力を持つ重要な文書のため、書くハードルが高く感じる方も多いです。

そんな方には、まずエンディングノートから始めることをおすすめします。

 

エンディングノートとは、自分の情報・希望・家族へのメッセージを書き留めるノートです。法的効力はありませんが、遺言書を書くための「考えを整理するツール」として非常に役立ちます。

「財産の分け方」などの重要な意思は、最終的には法的効力のある遺言書に落とし込むことが大切です。

エンディングノートはその準備段階として活用してください。

▶ まずはエンディングノートで自分の意思を整理してみましょう

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まとめ|2026年時点の遺言書の現状

                          現在使える遺言書の3種類 自筆証書遺言
 → 全文手書き必須、法務局保管がおすすめ(費用3,900円)

✅ 公正証書遺言
 → 公証人が作成、2025年10月からウェブ会議での作成も可能

✅ 秘密証書遺言
 → ほとんど利用されていない


                      【2025〜2026年の法改正まとめ】

✅ 2025年10月1日 施行済み
 → 「公正証書遺言」のウェブ会議での作成が可能になった

📋 2026年4月3日 閣議決定・未施行
 →「保管証書遺言」を新設:PC・スマホで本文作成可能(電子署名+法務局口述が必要)
 → 押印要件を廃止
 → 国会での成立・施行は今後

❌ 現在もできないこと(2026年4月)
 → スマホのメモ・Wordファイル・音声・動画での遺言は無効

 

遺言書を書くことは「死を意識する」という意味で心理的なハードルが高いですが、まずエンディングノートで自分の気持ちを整理することから始めてみてください。


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※この記事の法改正情報は2026年4月時点のものです。法律・制度は今後変更される場合があります。遺言書の作成にあたっては、司法書士・行政書士・弁護士などの専門家にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的アドバイスを行うものではありません。

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